ピーターの航海日誌

アラ還おじさんの雑記Blog

子どもの頃の憧れは、どこにいってしまったのだろうか。

百科事典の代名詞ブリタニカが、244年目にして紙版を絶版。今後はオンライン版のみを存続とのこと。
高度経済成長の時代に子どもだった僕は、読みもしないけれどブリタニカの百科事典は憧れの存在でした。その当時の大人の憧れが、そのまま子どもの僕たちに影響したのだとおもいます。
今から考えれば痛い!としか言えない憧れは、庭付きの一戸建て住宅を建て、応接間があって、そこには応接間三点セットがあるのです。応接間三点セットとは、ソファ、テーブル、サイドボードです。また壁一面の本棚があって、そこにはブリタニカは買えないけれど、日本の出版社がだしたものなら手が届くと(月賦?)購入。ここぞとばかりに飾っていて、使う事はほとんどないのが百科辞典なのです。
サイドボードには、ヘネシーやナポレオンが飾られていて、冷蔵庫から氷を持ってきて、さてウイスキーをとなるとヘネシーなどはあけず、結局「角瓶」なのです。
おじさんたちが、ちびりちびりやりながら、「いいねぇ」なんて会話をしているのを横で聞いていて、これが理想なんだと刷り込まれていったのだと思います。
今となっては、懐かしい思い出。バブルも経験した僕たちは、親父世代の理想なんか忘れてしまい、それ以上の生活を思い描いたのでした。
今だから痛いとか笑える話ですが、みんなが同じような理想を描き、ある意味手のとどく幸せを手に入れていたことは、今考えればやっぱり幸せだなぁと思います。ステレオタイプとか言うけれど、みんなが同じような理想を描き、みんながある程度がんばれば手に入る幸せ(実際は、それを手にしたからといって幸せにならないことは、みんなも承知の事ですが)があった、そんな時代があった。それは、今から考えるととても贅沢なことなのかもしれませんね。