ピーターの航海日誌

アラ還おじさんの雑記Blog

さよならプリントゴッコ

プリントゴッコは1977年に発売、34年間にわたり家庭向け印刷ツールとして活躍、需要の減少に伴い2008年5月には本体の販売終了。2012年12月28日付けで同社の国内向けプリントゴッコ事業を終了とのこと。
公私にわたって、パソコンを使い出した1984年頃から約20年間お世話になってきました。現存していますが、ここ5年使っていないのが現状です。PCに出せない味があるので、何かのお知らせに使えるかと廃棄しないで置いていましたが、消耗品の供給が止まるので、そろそろ廃棄しないといけないですね。
話は変わりますが、7月に映画「コクリコ坂から」を観に行きました。その中でバンコさんの懐かしい謄写版を使うシーンが描かれていました。主人公の彼氏が新聞部で、校内新聞を印刷するのに使っているのです。蝋引きした用紙をやすり状の板の上に置いて、鉄筆でガリを切るシーン。いきなり主人公にガリ切りの一部を任せるが、あんなに簡単にいかないはず。まあ細かいことはいいか・・・。インクをローラーでのばして印刷。きっと部室はインクの油の匂いが染みついていただろうなと、インクの匂いまでが甦ってきました。
でもそのシーンを観ながら、一点間違いを発見しました。といっても大きな間違いではありません。監督もまだ生まれる前の1963年が舞台で、謄写版を使ったことの無い世代。実際現物を手に入れて、アニメーター達と色々使ってみたそうです。でも、実際のところ印刷をした紙を横(たいがいは右利きなので謄写版の左に置く)に置いた場合、刷り上がったばかりの紙面のインクが上に載せる次の印刷物の背面に付かないように、古新聞を切ったものや、わら半紙などを用意して一枚一枚挟んでいくのです。その作業が抜けていました。これは実際に謄写版を使ってきた者でないとわからない事、映画そのもの本題には影響ありません。(校内新聞は、映画の中では片面刷りの様だったし・・・それならいいかっ)
そのシーンを観ていて、インクの匂いを思い出したり、ローラー、インクをのばす台の表面は、ガラスの様な物で出来ていたなぁとか、バンコさんの謄写版ガリ切りなどを懐かしく思い出し、理想科学さんのプリントゴッコ最近使っていないなぁなんて思っていました。
一つ新しい物が出ては古い物が消えて行きます。変化していくことを受け入れていますが、たまには立ち止まって懐かしいなぁと思うことはいいかなと。