黒人音楽を語る上で外せないレーベルってありますよね。まずはレース(これに対して白人音楽をヒルビリーと言うようになったそうです)。そしてJAZZならブルーノートをはじめとする多くのレーベル。ブルースなら、チェスでしょう。そして、スタックス、ハイ、そしてモータウンでしょう。
僕は初めイエスのクリス・スクワイアやELPのグレッグ・レイクなどが好きで、キンキン・ビンビン・ゴリゴリといった感じでベースの音をだしていましたが、ある時から、もこっとした音にかわりました。どちらが正しいとかでなく、とりあえず変わったのです。モータウンのハウスバンドである、ファンクブラザースのベーシスト、ジェームス・ジェマーソンの影響が大きかったのです。
興味があってもなかなか資料が無かったのですが、数年前(2002年?)に彼のことを研究した本がでましたので大あわてで購入しました。そうしているとその取材をベースに、映画が制作されました。「永遠のモータウン」です。小さな映画館でかけられた程度ですが、しっかりと観にいきました。
この映画のキャッチコピーは、「彼らが世に送り出した全米No.1ヒットの数は、実にビートルズ、ビーチ・ボーイズ、ローリング・ストーンズ、エルヴィス・プレスリーのNo.1全てを足した数よりも多いのだ!」とありますが、それを生み出した、モータウンのヒットソング製造方法やスネイクピット(細長いレコーディングスタジオのこと)は、多く語られましたが、そのグルーブを生み出し続けたハウスバンドのファンクブラザースに始めて注目した作品です。
この本と映画で、いろいろ知ることができました。誰でも簡単に情報や作品を発信することができる時代ですが、ホーランド=ドジャー=ホーランド(H-D-H)のような作詞、作曲のチーム。すばらしいミュージシャンの集まりである、ファンクブラザースのアレンジと演奏。建物や設備として決して良いとは言えませんが、なんとも言えない熱いサウンドを録音することのできる、スネークピットと呼ばれたヒッツヴィルUSAのスタジオ。そして、すばらしい歌手がいて届けられる素敵な音楽はやっぱりいいです。シンガーソングライターや、トラックメーカーを否定しているのではないのですが、ある意味プロ集団によって作られる良質のポップソングは、最高です。いろんな意味で大変な音楽業界ですが、プロの底力を見せてもらいたいなぁ。そんな音楽とであいたいなぁ、と一人のオーディエンスとして願っています。
まぁ、なにはともあれ、紹介しました本を読みDVDを観ると、なんとなくモータウンがわかったような気になるのは不思議です(笑)。
伝説のモータウンベース ジェームス・ジェマーソン (Bass magazine)
- 作者: ドクターリックス,Dr.Licks,坂本信
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