我が家に西ドイツ製の製品が二つだけ現役で残っています。一つは30年近くつかっているブラウン社のひげそり。もう一つは、友人宅から我が家に来たオイルヒーター(写真)です。どちらもバウハウスの影響を受けたとしか言いようのない、すっきりとしたデザインです。ブラウン社の製品は、バウハウス的なデザイン、質感それじたいがCIといいますか、アイコンになっていますよね。
デザインはさておき、なぜ電気代のかかるオイルヒーターかといいますと、友人は病気で弱っているお父さんのために、さっと暖かくなるハロゲンのヒーターが欲しい。僕は、親父の心臓が悪いので、寒い脱衣所を暖めたいが、お袋の買ってきたハロゲンヒーターを狭い場所で使うのは危険だと思っていました。それでお互い使っていたものを取りかえっこしたのです。
確かに電気は食いますが、それでも倒れて病院に担ぎ込まれることを思えば、電気代は安いもの。また家が火事になることを思えば、これも安いこと。親父たのむから、風呂に入る少し前にスイッチをいれておいて、暖かくなってから入ってな。電気代あんたが払うんじゃないから、安心してスイッチをONしてな。倒れて救急車で運ぶことを思えば、なんぼかありがたいからね。
でもね、この部屋を暖めるという動作が新しいイベントなので、なかなか飲み込めない。こまったもんです。