ピーターの航海日誌

アラ還おじさんの雑記Blog

秋桜

山口百恵さんが引退して今年で30年になるのですねぇ。引退であってデビューじゃないんですよね。こうした事を聞くと、時の流れを感じざるをえません。

山口百恵さんの歌といえば、やはり阿木燿子さんの詞と宇崎竜童さんの曲が有名ですが、僕の心に残っているのは「秋桜」です。百恵さんがヒットを連発していても、とくに興味がなく(ファンのみなさん、ごめんなさい)曲を真剣に聴くこともなくすごしていました。この曲は、お袋がよく聴いていたこともあり、耳に残っていました。歌詞が良いのです、「涙脆くなった母が 庭先でひとつ咳をする」この 庭先でひとつ咳をするのワンフレーズで、頭の中に不思議と庭や縁側の情景がバーッと浮かんできます。歌の歌詞というより小説的な表現とでもいいますか、ここで完全にノックアウトされました。

恥ずかしながら、10数年前まで、「秋桜」が、さだまさしさんの作品だと知らなかったのです。さだまさしさんも、まったく聞かなかったのですが「案山子」の歌詞が心にのこり、この曲だけ好きといった状態ですごしていました。そして「秋桜」が、さだまさしさんの作品だとわかってから、さだまさしさんを聴くようになりました。詩人ですよね。聴けば聴くほど、シンガーソングライターですし、ギターやバイオリンも演奏されるけど、詩人で物語を紡ぎ出す人だと思います。

話は変わりますが、ヤマハ音楽教室にかよっていたとき、かわいらしい秋桜の絵が書かれた楽譜をみながら演奏をしていたのを覚えています。先生が、「秋桜はね、雑草だけど、ふまれて折れ曲がっても、そこから伸びて花を咲かすんだよ」と話しをしてくれました。弱々しく見えて雑草の強さをもっている、その話しを聞いて秋桜が好きな花になりました。幼稚園の頃のお話です。ちなみに僕の住んでいる区の花は、秋桜です。なんか不思議です。

私花集〈アンソロジイ〉

私花集〈アンソロジイ〉