ピーターの航海日誌

アラ還おじさんの雑記Blog

ちっちゃいおっちゃん

現代は、身の回りの製品がかなりブラックボックス化しています。と言っても、わかる人にとっては、別にブラックボックスでもなんでもないのですが、動く部品が減り、制御もICチップの中で行われるので、そのように見えるのでしょうね。

その昔、関西には一切ブラックボックスはありませんでした。つまりすべての大人が、機械について説明できたからなのです。たとえば、ジュースの自販機にお金を入れるとジュースが出る。子どもに「なんでぇ」と聞かれると「中にな、ちっちゃいおっちゃんがおって、あっ、お金はいってきた。10円にまちがいない、ジュースだせ。ゆうてやっとんや、機械の上に噴水みたいにジュースが出とうやろ、あれもちっちゃいおっちゃんが、やっとんや」と説明します。子どもは不思議と納得します。「おとうちゃん、なんでラジオ音がでんの」と聞かれると「そんなもん、ラジオの中にちっちゃいおっちゃんがおってしゃべっとんや」で説明が付くのです。大人も子どもも素朴だったのです。

話はかわりますが、ブリキでできた鉄人28号や空飛ぶ円盤のおもちゃを持っていました。ある日、その空飛ぶ円盤が動かなくなったのです。親父が修理しようとばらしだしたのです。この頃のおもちゃは家のお父さんでも、ある程度直せる代物だったのです。ちいさな人形が運転している円盤を上下二つにしてびっくり、なかにはパイナップルの缶詰の印刷が・・・。そうパイナップルの缶詰の印刷がずれていて、缶詰の缶にできないため、それを材料として安価に引き取り反対側(本来なら缶詰の内側になっていたであろう場所)に円盤の模様を印刷をし、プレス成形したのです。子どもながらに、その状況をとっさに判断できました。「子どものおもちゃやから、こんなんでええんやねぇ」と言った記憶があります。子どもながらに納得していた記憶なのです。もちろんふたをあけても、ちっちゃいおっちゃんが出てこないのもわかっていましたが・・・。ちょっとだけドキドキしたのですが(笑)。

最近のおもちゃのクオリティにはおどろいてしまいます。すごい時代になりましたねぇ。ちっちゃいおっちゃんは、どこにいってしまったんでしょう。おーぃ、ちっちゃいおっちゃん!
ちなみに ちっちゃいおっちゃん=池乃めだか(元・海原めぐる)ではありませんのでご注意くださいませ。