ピーターの航海日誌

アラ還おじさんの雑記Blog

遠い空の向こうに

スプートニク・ショックの最中、米国の炭鉱町での実話に基づいた映画です。
厳格な炭鉱技術者の父は、子どもに後を継いでほしい。主人公の兄は、フットボール奨学金で大学に進み閉塞感漂う町を出たい。弟、つまり主人公はロケットにうつつを抜かし、父親の反対を受けながらロケットを作り続けます。たった一人の情熱が友人たちを動かし、学校を動かし、町の人たちを動かして、全米コンテストでの優勝へと進んで行きます。
父にはこの炭鉱の先が見えています。それでも炭鉱の仕事に誇りをもち、子どもにもこの町から出ないで後を継いでほしい気持ちがあります。若さゆえの情熱もありますが、閉塞感を打ち破るために、前に前に進みつづける主人公。古いものが悪いとか、古い価値観が悪いとは思いません。しかし何かを打ち破り変えて行かないといけない時に、抵抗するものとの戦いはどうしてもおこるものです。先の見えているものでも、慣れゆえにゆでガエルのようにそこに居続けてしまうのが人間の弱さであり、悲しさでもあります。僕自身も歳をそれなりにとっているので、変えていくことの難しさ、特に自分の心を奮い立たせて現状から新しい環境へ変化させることの難しさは知っています。一人の情熱だけではどうにもなりませんが、協力してくれる友人や、力を貸してくれる町の人たちの助けによって、その状況が変えられて行く様が描かれています。
まだまだ新しい地に踏み出さないといけないこともあります。一人では無理ですが、仲間が与えられ、粘り強く前に進んで行きたいものです。
(Booklogより転記)

遠い空の向こうに [DVD]

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