ピーターの航海日誌

アラ還おじさんの雑記Blog

K野くん山へ行く

「そこに山があるから」と言って登山をするならかっこいいのですが、別の理由で山に行ったお話です。

学校の先生が授業の準備が悪いと、なんとなく生徒に伝わるのです。頭の悪い子には、どうもそのあたりがピンと来て騒ぎ出すのです。その騒ぎ出す時間にも何らかの法則があるようです。各クラス別に授業をしていても、騒ぎ出す時間がほぼにかよっているので、昔のことですから、騒いだ張本人をつまみ出し、廊下に立たしますが、これもほぼ同時となるのです。大昔に先生をしていた人に聞きますと、「そういえば騒ぎ出す時間、ほとんどいっしょやったなぁ」と言っていましたので、日本全国どこでも同じだったのでしょうね。

廊下に立たされる面子は、毎回おなじみですので、お互いの顔をみて合図し、誰かがポケットに隠し持った庭球があれば、それで静かに廊下で遊ぶのが常でした。

ある日そのなかの一人K野くんが、ふらっと学校を出て行ってしまいました。そのまま帰ってこなかったので、先生は無視して6時間目の授業をし終業。さて問題はそこからです、K野くんの親から夕方になっても息子が帰って来ないと学校に電話が入り、校庭で遊んでいる僕たちに「K野が居なくなった(そらそうや)みんなで探してくれ」とのこと。先生たちの顔からも必死の様子が伝わってきます。それから大捜索が始まりましたが、(帰ってきたからと連絡あったのかどうかしらないのですが)1時間ほどで解散となりました。

次の日、元気に登校してくるK野くんに、みんなが「昨日、どこいっとったん」と聞くと、「勝福寺さんで遊んどった」とのこと、裏山のお寺の境内で遊んでいたのです。「なんで行ったん」と聞くと「遊びに行きたかったから・・・(の様なことを言っていました)」まったく悪気もなく、元気に登校しているので、先生は、喜んでいいのか、悲しんでいいのか、怒ってよいのかこまっていました。

のどかで、おおらかな時代の小学生でした。今の子どもがちょっとかわいそうだなぁと、おっちゃんは思っています。