ピーターの航海日誌

アラ還おじさんの雑記Blog

働かないで暮らす方法

小学生の頃、オバン(祖母)と一緒に我が家のバックカントリー高取山に、早朝から登っていたときのことです。毎日同じ時間に登るので、山道で出会う人も同じ、そこで行われている事もほぼ同じなのです。
山小屋(といっても喫茶店のような感じの所)で、食事をしている人。山小屋に隣接する広場で輪投げをする人。山道の途中にほこらがあり、その前の広場で輪になって踊りの稽古をするおばあちゃんたち。このおばあちゃんたち、僕が山道を登っていく時間帯は、丹波篠山で歌われている「デカンショ節」のレコードをかけて踊っているのです。
デカンショ デカンショで半年暮らす
ヨイヨイ
後の半年ゃ寝てくらす
ヨーイ ヨーイ デッカンショ
という歌詞を聴いて、「デカンショ」ってなんだろう? この仕事をすれば、半年だけ働いて、半年遊んで暮らす生活が手に入ると思ったのです。でも降りてくる時間帯にかけているレコードは、福島県の民謡で「会津磐梯山」なのです。
小原庄助さん なんで身上つぶした
朝寝 朝酒 朝湯が大好きで
それで身上つぶした
もっともだ もっともだ
これを聴くと、やっぱり働かないといけないのかなぁと、がっくりしながら家路につく毎日でした。
すこし大きくなると「デカンショ」は「出稼ぎしよう」が、なまったのではないかと考えるようになりました。丹波篠山の人が冬場農業ができないので、灘五郷に灘の生一本を作る杜氏として働きに来る事を知ったからです。ということは、残りの半年は農業をして暮らしている。一年中働いていることになります(残念無念)。
デカンショは、デカルト、カント、ショーペンハウエルの略だと言う説もあります。何はともあれ、半年寝て暮らせる、そんな仕事はないということだけは事実です。踏ん張って今日も額に汗して働きましょう。チャンチャン。