ピーターの航海日誌

アラ還おじさんの雑記Blog

電卓とプッシュフォン

親戚の電話がプッシュフォンに変わったということで、近所ですから早速見に行きました。ぐりっと回すダイアルが無く、本体に12個のボタンだけが付いている電話機は、なんともいえないかっこよさがありました。
当時は、まだまだ電卓が高価であったため、プッシュフォンのサービスに、電卓サービス(サービス名は覚えていない)がありました。早速おじさんにたのんで、従兄弟たちも一緒に見守る中で計算開始。暗算できる4×4程度の計算を入力すると、とぎれとぎれの女性の声で「お・こ・た・え・は・いち・ろく・です」と言うのです。機械が読み上げる数字を電話機の横に置いたメモ帳に書き込むと、最終的に答えがわかる。と、まっこんなぐあいだったのです。
別の親戚のおじさんが、「交換機のあるところを見せてあげよう」といって、(国鉄神戸駅近くにある電話局の中を見せてもらいました。そこで、電卓サービスの女性の声の正体にもあわせてもらえました。茶筒を少し太くしたようなの円筒状のものに、磁性体が塗布されており、ここに音声が一語、一語、ばらばらで録音されているのです。横にある棒状のヘッドが接触したり離れたりをくりかえしています。これで「お・こ・た・え・は・」という感じでブツ切れの音声ができるのです。
それからずいぶんあとに発売された、しゃべる冷蔵庫には驚きました。「ドアがあいています」ときれいな声で話すではありませんか、もちろん円筒状の機械はなくICの中での合成です。元をしっていたので、技術の進歩におどろきました。
電話局にデジタルの交換機D10が配備され、電電公社(現NTT)がパケット通信の実験を始めたころの、古い古いお話です。