ピーターの航海日誌

アラ還おじさんの雑記Blog

おかげさんで―落語家露の五郎とともに

先日、彦八まつり(生國魂さんの境内でおこなわれる上方の落語家さんの文化祭のようなお祭り)によせていただいたとき、今は亡き露の五郎兵衛さんの娘さんと立ち話。なんのひょうしか、昔の朝の連ドラ「ちりとてちん」の話題に。余談ですが、少し離れたところで小浜市の塗り箸が売ってました。
その立ち話のなかで、あの「ちりとてちん」は、露の五郎一門(当時は五郎兵衛を襲名する前)の話をどこからか聞いて台本にしているのではないかと、多くの上方の落語家さんが思っていたとか。僕はその当時、ヒロインのモデルは、都さん? それともあやめさん? だれ? といろいろと想像をふくらませておりました。そう言えば、NHK大阪の番組であやめさんが「あんな素敵な兄さんいてません」とぼやいてました。先日いったショーの中で五郎兵衛さんの双子の娘さんも口をそろえて「あんな広い家ではない」とこれもぼやいておりました。まぁそこはTV番組、広い師匠のおうちに素敵な兄さんがいても不思議はございません。
この本を手にしたのは、露の五郎兵衛さんの奥さんといいますか女将さんの生まれてから今までのことを書いた本だと聞きまして、もしかしたら「ちりとてちん」がパクった(笑)部分がわかるかもしれないと変な欲をだして買いました。もちろん女将さんのサイン入りです。
女将さんといえば歌舞伎にお相撲、それに落語など伝統継承の世界の大切な方だとは理解していますが、先代の林家三平さんの女将さんなどがTVに出てこられて、ちょっとだけその世界を覗かせていただく程度ですので、興味本意で読み始めました。文中たまに時代が前後したりしますので、無い頭をフル回転させて読む必要はありますが、ドンドンと読みました。面白くて一気に読んじゃいました。
まず、連ドラの話の元だったかどうかは謎のままです(笑)。広い家でない! と娘さんの話の通りお金でのご苦労も読みました。人気商売ですから、結構持っていると思ってしまうものですが、ほぼ火の車状態だったようで・・・。五郎兵衛さんのお友達の米朝さんが、弟子入りに来た若者に「芸人ゆくすえあわれ」だったかな、と言って諭されると何かの番組で聞きましたが、本当に大変な世界だなぁ。あんなちいちゃなお母ちゃんがほんますごいなぁ。若い時に簿記を学んでいて、マネージメントや経理をし、それに三味線まで、見えないところで屋台骨を支えていたんやなぁと関心してしまいました。
表にでる看板は師匠かもしれません、でもその看板を支えているのは女将さんなのだなぁ、女将さんがしっかりしてはらへんとやっていけない生業やと思いました。
(Booklogより転記)

おかげさんで―落語家露の五郎とともに

おかげさんで―落語家露の五郎とともに